ロマンスカーギャラリーの展示車両のうち、順路でいちばん最後になるのが、RSE（Resort Super Express）こと20000形です。
初代3000形SEで運行されていた御殿場線直通の「あさぎり」に投入するため、1991年（平成3年）に登場。JR東海からは、性能を揃えつつデザインを変えた「371系」も登場しました。JR371系との共通仕様として、SE以降では初めて連接台車ではない、そして展望席のないロマンスカーとなりました。
車内はハイデッカー（高床）で窓も大きく、明るい印象です。展望席はありませんが、先頭車両の全面窓ガラスや運転席と客室の仕切り窓が大きい上に、運転席は客室よりも低い位置にあるので、全面展望は結構よいんです。全体的に、今までのロマンスカーにはない高級感があって、RSEに乗るとなんだかリッチな気分になれたものです。
そして、7両編成のうち中間に2両、2階建車両が組み込まれていました。2階建のロマンスカーは、後にも先にもこのRSEだけ。2階席は小田急では「スーパーシート」、JR東海では「グリーン車」として、アップチャージがありました。また、RSEの1階席は1両が普通席、もう1両がセミコンパートメントでした。
「あさぎり」以外にも、ときどき「はこね」や「ホームウェイ」等で使われていましたが、登場から20年ちょっとと比較的早い時期に引退し、現在では富士急行線の「フジサン特急」として、編成を短くし（2階建はなし）バリアフリー対応改造も施した上で活躍しています。
この日、ちょうど居合わせた小さな子どもが、「ふじさんとっきゅう！」と言いながら近寄っていきました。
リンク: ロマンスカーミュージアム | 小田急電鉄